season
「…うん。俺もナツとずーっと一緒に生きていきたい。しわくちゃのおじーちゃんになっても、ナツと一緒にいたい。………この意味、わかる?」
かろうじて頷いた私だけど…
涙が溢れて、言葉が声にならなかった。
それはまさしく、春馬くんからの最高のプロポーズで。
遠い遠い未来を、今ここで約束したんだ。
「だから俺も今はコレ、受け取るよ。それでナツが卒業したら、その時はコレを持って迎えに行くよ。」
そう言って、春馬くんは手のひらに乗った合鍵をぎゅっと握りしめた。
世の中の人に聞いてみたい。
好き同士なのに、別れることってあるのかな?
こんなに切ない別れはあるの?
だけど、春馬くんは言った。
この別れは、悲しい別れじゃないって。
この先にある二人の幸せのための…
前に進むための別れなんだ、って。