season
『そうだ、ナツ。今日スマホ拾ってくれたお礼に何かしたいんだけど、何して欲しい?』
「え?いいよ、別に…」
突然の話に戸惑ってしまう。
『どっか行きたいでも、なんか食いたいでもいいからさ、お礼させてよ。』
あまりにも必死に頼み込むものだから、無意識に呟いてしまっていた。
「今日みたいに、公園で話せれば、それで…」
……………て、私…今、なんて言った!?
顔がカアッと熱くなる。
すると、電話の向こうでフッと笑う声がした。
『そんなんでいいの?じゃあ明日、7時に待ってて。俺もナツともっと話したいから。』
あ、まただ。
また胸がざわつく。
どうしてだろう。
この声は、私の心をざわつかせる。
だけど…電話で聞いていると、低い声がなんだか心地良くて。
ざわつきと同時に、安心感も得られていたの。