season
近くて、遠い
翌日から、毎晩夜7時、いつもの公園で春馬くんと待ち合わせすることが日課になった。
「ナツ、学生?」
「…まあ、一応?」
「なんだよ、一応って。」
二人掛けのベンチに並んで座る。
フッと笑う春馬くんと、肩がぶつかる。
「春馬くんは?学生?」
「んー、一応社会人?」
「なに、一応って。」
「ナツの真似〜!!」
つかず、離れず。
他愛のない話をしながら過ごす、この時間とこの関係が心地よかった。
お互い、余計な詮索はしない。
取り決めたわけでもないけれど、お互い暗黙の了解で作ったルール。
………それがある日、破られる日が来たの。