season
「毎晩毎晩こうして俺と会ってるけど、ナツは彼氏いないの?」
「え…」
“彼氏”という言葉を聞くと、嫌でも秋山先生を思い出してしまう。
そして、なんでもないフリしたいのに、明らかに動揺してしまう私。
「…ナツ?」
「…ごめん、彼氏はいない…んだけど……」
明らかに様子のおかしな私に、春馬くんが気づかないはずがない。
「ナツ、どーした?」
「……忘れられない恋が、あるの…」
ここ数日、春馬くんと過ごすほんのちょっとの時間が楽しくて。
春馬くんに少しずつ惹かれ始めてる自分が、どこかにいる気がして。
…だからこそ、自分で一線を引く。
私には、恋をする資格なんてないんだ。