season
ポロポロと涙をこぼす私に、春馬くんは言った。
「…俺も一人じゃないんだって、今日思ったよ。家で一人で、風邪と戦うのかぁ…と思ってたら、救世主登場。ナツが来てくれて、本当に嬉しかったよ。」
そして、春馬くんの指が、私の涙を拭う。
「…だからナツ、我慢しなくていいよ。迎えを待つのが辛いなら、辛いって言えばいい。俺も一緒に、待つから……な?」
どこまでも包容力のある人。
私は、この人の優しさに甘えていいのだろうか。
この人を信じて、もう一度恋愛していいのだろうか。
「…春馬くん。」
「ん?」
「…嘘なの。本当は、迎えなんて待ってない。迎えに来るならもうとっくに来てるはず。もう…この恋は、終わってるの…」
「ナツ…」
自然と、目が合った。
「じゃあ…新しい恋を始めてみる?」
「……信じていいの?」
目の前にある、この人の優しさに、飛び込んでいいの?