season
「信じていいよ。俺も、ナツを信じるから。」
「…過去に何があっても?」
過去のことは話したくない。
話せば、みんな離れていく気がするから。
そんな不安をあらわにした私に、春馬くんはフッと笑った。
「俺が好きになったのは、今のナツだよ。過去に何があろうと関係ない。むしろ、それで今のナツがいるんだろ?」
こんなにも人の心を穏やかにさせる人、いるんだ。
春馬くんとの会話は、本当に心地良くて、ほどよくドキドキして。
「…じゃあ、春馬くんを信じる。」
そう呟いた私に、春馬くんの顔が近づいてきた。
静かに目を閉じ、身を委ねようとした時。
「…あ。俺、風邪引いてるんだった。」
そう言って笑う春馬くんが、愛おしいと思った。
「いいよ、移して…ハル。」
「ナツ…」
春馬くんの綺麗な顔が近づいてきて、再び目を閉じた。
私のファーストキス。
春馬くんとでよかったと、心から思えた。