season
「春馬くん、何食べたい?」
「ナツの手料理なら、何でも。」
う…それが困るんだってば。
「じゃあ、冷蔵庫見せてもらってもいい?」
「どうぞどうぞ。…って言っても、あまり物入ってないけど。足りないものあれば買いに行こう。」
冷蔵庫を開けると、一人暮らしだからか確かに物は少なかった。
だけど、これなら何とかお買い物に行かなくても作れそう。
「よし、決めた。」
「え?冷蔵庫の中の物だけで、できそう?」
「うん、大丈夫。だから春馬くんはテレビでも見てて。」
そう言って、早速料理に取り掛かろうと思ったら…
「ヤダ。料理してるナツのこと見てる。」
そんな風に言われ、またまた顔が熱くなった。
そして、その言葉の通りずっと見つめられるから…
指先まで熱くなってくる。
「は、春馬くん、キッチンもお部屋もキレイだね。」
見つめられる沈黙に耐えられず話題を出すと、春馬くんが部屋を見渡しながら答えた。
「そう?まあキッチンは、ほとんど使わないし。お茶沸かすくらい?」
「ええ?料理しないの?」
「休日くらいだな。平日の仕事ある日は、買ってきたりがほとんど。」
そうなんだ。
だったら、毎日作ってあげたいな。
……て、また私変なことを考えてた!!
「いい匂いしてきたな〜」
「あ、うん。もうちょっと待っててね。」
どうしよう。
春馬くんの一挙一動に、胸がキュンとする。
こんな恋は……初めてだ。