season
避けられない運命
「夏海…無理しなくていいのよ?」
ある朝。
リビングに現れた私の姿を見るなり、母は心配そうにこう呟いた。
「ううん、無理してないよ。もう…大丈夫だから。」
そう。
久しぶりに制服に袖を通した私。
学校に行こうとしている私に対して、やはり母は心配なようだ。
「気を…つけてね。」
「うん。」
本当に大丈夫なんだよ。
だって、私には春馬くんがいるから。
もしも学校が辛くても、夜いつもの公園で春馬くんに会えると思えば、大したことじゃない気がするの。
「…行ってきます。」
誰になんと言われようと。
みんなに冷たい目で見られようと。
私はもう、逃げないで立ち向かうよ。