season

「え…嘘。B組の瀬名夏海じゃない?」




「ああ、あの秋山先生との…?」




「よく学校来れたよねー。」




聞こえないように言ってるつもりなのか。




はたまた、聞こえるようにワザと言ってるのか。




どちらにしても、これくらいは覚悟していた。




しかし、そんな中でも、話しかけてくれる子がいる。




「おはよう、夏海。久しぶりだね…」



「…おはよう。」




かつて私が、学校生活を共にしていたクラスメイト2人だ。




友達、という言葉を使うのはやめておこう。



彼女たちは私を、もう友達とは思ってないだろうから。




「夏海が来てくれて、本当に良かった。」



「本当だよ。また今日からよろしくね!」




「エリカ…ユリ…。………私とは、一緒にいない方がいいと思う。」




話しかけてくれて本当に嬉しかったけれど、私と一緒にいることで、二人まで変な目で見られることだけは嫌。



そう思って言ったのに…




「何言ってんの、夏海。私達の方が、夏海といる資格ないかもって言ってたくらいなんだよ…」



「え?」



エリカに続いて、ユリも俯きながら言った。



「あの時私達…夏海のこと信じられなかった。夏海は、あんな噂みたいなこと絶対しない子ってわかってたのに…庇ってあげられなかった。」



噂とは、私が秋山先生と寝たとか、教室でキスしていたのを見ていた人がいるとか…



手をつなぐことしかなかった私達にとってありえない噂を流されたことだ。



でも、そう思われたって仕方のないことだって、割り切っていたけど…




二人をこんなにも苦しめていたことに、今さら気づいた私。
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