season

「二人とも、ありがとう。私…今日から頑張る。だから…」



そう言いかけたのを、エリカに止められた。



「ちょ、ストップ!まさか夏海、一緒にいてほしい…なんて当たり前のこと言わないよね?」



「え…」



その“まさか”なんだけど。




「もう!私達はいつも3人でいたでしょ!」



ユリが笑う。




「……ありがとう。」




何を絶望していたんだろう。




私には、大貴や菜々子だけじゃない。




エリカやユリっていう、かけがえのない友人が、こんなにも傍にいてくれた。





「じゃ、早速職員室に挨拶に行こうよ!山田先生も夏海のこと心配してたよ。」



「…うん。」




職員室…か。



あの時は、先生たちにも白い目で見られたからな…。




だけど、担任の山田先生だけは、いつも笑ってくれてた。



30歳くらいの女の先生なんだけど…



『瀬名さん、大丈夫よ』



いつもこう言って、励ましてくれたっけ。



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