season
「授業始めるぞー。教科書開けよー!」
春馬くん…いや、須賀先生が颯爽と現れた。
数学教師だけど、ジャージ。
そのジャージ姿に、大学生だと思っちゃったんだよなあ。
「この前の復習からなー。」
春馬くんの方は、いたって平気そう。
ちゃんと“先生”してる。
私は、秋山先生との時はあんなに普通でいられたのに…
“普通”が、どんななのかがわからなくなってる。
秋山先生と春馬くん。
私が普通でいられない決定的な違いは、自分でもわかってる。
彼の温もりを、知ってるかどうか。
秋山先生とは、バレる直前に初めて手を繋いだ程度。
それに対して春馬くんとは、教師と生徒としてではなく、恋人同士として触れ合った仲。
その違いがわかっているからこそ、私は今この場の状況をどうしたらいいかわからないの。