season
夜、7時。



いつもの公園で、春馬くんを待つ。




すると、ニット帽をかぶって、メガネをかけた春馬くんがやって来た。




「…春馬くん?なんか雰囲気違う。」




すると、春馬くんが申し訳なさそうに言った。




「いや…さ、ここは学校から遠いし大丈夫だとは思うけど…一応、俺たち教師と生徒だし、もう外では会わない方がいいと思うんだ。」




そっか。



だから、変装して来たんだ。




「そ…だよね。もう会わない方が、いいよね…」





頭ではわかってるの。




だけど、春馬くんの優しさや温もり、春馬くんを想う時のドキドキを知った今、あの頃にはもう戻れない自分がいる。




ダメだってわかってても、引き返したくないと思う自分が…いる。




そんなことを思いながら、膝の上で手をぎゅっと握りしめた時だった。





チャリン…と音がしたので見上げると…





春馬くんが優しい笑顔で、鍵をゆらゆらさせていた。



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