season
「…ん…………」




春馬くんのキスは、甘くてとろけそうになる。




こんな風にキスをしていると、決まって私は現実逃避をする。





私と春馬くんは、たまたま出会って、たまたま恋に落ちただけ。




お互い、教師と生徒という事実は、男女の関係になった後で知ったこと。




だから、ただ順番が違っただけだから、仕方のないことだ…と。






でも、すぐに現実に引き戻される。




たまたま出会って恋に落ちただけなのは、嘘偽りないけれど。




例え順番が違っていたとしても、この恋は許されるものではないんだよね…。





「…なに考えてんの?」



キスの合間に、春馬くんに問いかけられる。




「ん?…幸せだなって…。」




半分本当で、半分嘘の答えをする私。




「ん、俺も幸せ。」



そう呟いた春馬くんが、ぎゅーっと抱きしめてくれた。




やっぱり安心する、春馬くんの腕の中。




「………好き…」




そう呟いた私に対しての返事なのか、春馬くんが私を抱きしめる力が強くなった。


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