season

「こんな時間にどうしたの?二人とも。」



テーブルの上に紅茶のカップを置きながら、二人にそう問いかけた。




なんだろ…




なんだか、二人とも元気ない感じ。




すると、大貴が私と目を合わせないまま話し始めた。




「彼氏のとこ行ってたのか?」



「え?…うん。」



なんなの?


なんだか、尋問…みたいな。



大貴の態度が威圧的で、変。




「上手くいってんのか?」



「うん、まあ…。」



何でそんなことまで聞かれるんだろう、と思ったのは、ほんの一瞬だけだった。



「へえ。………相手、教師なのに?」



そう言った大貴と、やっと目が合った。



「な……んで……」



そう言葉にするのがやっとなくらい、驚きと恐怖が同時に私の心を襲ってきた。



「あたしが…昨日夏海のこと学校の前で待ってた時、見た先生だったから…。」



遠慮がちに話し始めた菜々子。




…昨日、私が傘を取りに行った時だ。



あの時、私が春馬くんと話していたのを、菜々子は見てたんだ。




…ウカツだった。



春馬くんと話せて、ドキドキしちゃってて…



あの時の私は、危機感のカケラも感じてはいなかった。


< 62 / 140 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop