season
家に入ろうとした時、大貴に会った。
「大貴、私は夏海の味方でいるよ。」
大貴の背中にそう声をかけると、信じられないって顔で振り向いた。
「お前…何言ってんの?あいつが付き合ってんの、教師だぞ?」
「わかってるよ。でも、夏海が立ち直ってまた学校に行けるようになったのは、あの先生のおかげだよ?」
そんな私に、大貴はイライラをぶつけてくる。
「バカ言ってんなよ。誰と付き合おうと、夏海は新しい恋をしたら抜け出せたはずだ。教師である必要がないだろ?同級生と付き合えばいい話だろうが。」
わかるよ…大貴の気持ち。
だけどさ、私たち幼なじみじゃない。
そんな風に、夏海のこと信じられなくなってくの、嫌だよ。
だから、私は言うよ。
「大貴。今の大貴は、幼なじみを心配しての発言じゃない。“好きな人”に彼氏ができちゃって悔しいだけだよ。」
「なっ……なんでそれを…」
見てればわかるよ。
大貴が、昔から夏海のこと好きなことくらい。
…見てればわかるよ。
だって私は…
大貴が好きなんだから。