season
春馬くんが角を曲がってきて、目が合う。



目をまん丸にして驚いてる春馬くん。




「…見ちゃった。」




そう呟いた私に対して…




「つーか、その前に…昨日の今日だし、ヤバいな…」



私から目をそらして、照れた表情を見せる春馬くん。




そんな春馬くんに背を向け、私は階段の下にしゃがみ込んだ。




「ナツ?どうした…?こんな狭いとこ…」




そうやって、春馬くんが追いかけてくれること、わかってるから。





「…ちょっとだけ」



誰にも見られない死角となる階段の下の隙間で、春馬くんをぎゅっと抱きしめた。





「……どうした?」




春馬くんも、優しく抱きしめてくれる。





「………ヤキモチ…」




正直に伝えて、春馬くんの胸に顔をうずめる。





女の勘って、こんな時に働くんだよね。




山田先生は…



春馬くんのこと、好きなんだ…。


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