season
そんな時、頭上から春馬くんがはあっとため息をついた。




「ヤキモチって…。マジで昨日の今日だからヤバいって、俺…」




だって…



本当のことだもん。




今までヤキモチなんて感情、知らなかった。




こんなにも胸がモヤモヤしちゃうものなんだね。




春馬くんのジャージの裾をぎゅっと掴むと、春馬くんは私を抱きしめたまま、頭をポンポンとしてくれた。



「…ごめんな、ナツ。嫌なとこ……見せちゃったよな。」




「ううん、嫌じゃないよ。」




山田先生のことは大好き。



それなのに、やっぱり春馬くんに好意を持ってるのかなって思うと、心臓がチクンとする。




「…そろそろ行かないとな。」



そう言って立ち上がった春馬くんに、本音をぶつけた。




「…ヤキモチやいちゃった分、二人の時は甘えさせて…ね。」




春馬くんは振り返らなかったけれど…




「…喜んで。」




そう呟く声が聞こえた。


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