僕らの命は 【 短編小説 】



⌜雨が上がったな、そろそろ行こう⌟




クロさんの言葉で、僕は車の下からひょこっと顔を出した。


空を見上げると、灰色の雲はどこかへ過ぎ去り、青空が見えはじめていた。


僕たちは一時待機していた車の下から離れ、また歩き始める。




途中、好奇心旺盛なミケは、ちょっとした木の枝や変わった雑草を見つけるとすぐに飛びつくから、僕はそのたびに焦りしか出なかった。


ミケの突然の行動には、本当油断していられないと思う。


楽しそうなミケの姿を見ているのはいいけど、もし危険なことに巻き込まれたらと思うと、心配でしかない。


過保護すぎだろうか……。


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