僕らの命は 【 短編小説 】
そして、もう一匹は僕より年下で、まだ子どもっけが残っている三毛猫のミケ。
「ミケ」という名前は、僕がつけた名前。
クロさんが、「お前の後輩だからお前がつけてやれ」って言ってくれたんだ。
白と黒とオレンジ寄りの茶色い毛が混じりあっていた子猫だったから、「ミケ」と名付けた。
ミケも捨て猫で、クロさんと散歩している時に見つけた子猫。
僕と同じくらいの時期に捨てられていて、まるで自分を見ているようだった。
僕はクロさんにしてもらったように、ミケをひとりにさせまいと四六時中ずっと一緒にいた。
もちろんクロさんも。
ミケはしだいに、僕のことを「シロしゃん」、クロさんのことを「クロしゃん」と呼ぶようになった。
ちなみに、クロさんも捨て猫だそうで、「クロ」という名前は、飼われていた時飼い主につけてもらった名前だそうだ。
クロさんは全身真っ黒な毛並みの黒猫で、瞳が黄色くていつも凛としている。
僕も、クロさんみたいに強くなれたらなぁ。
そして、今度は僕がミケを守れるようになりたい。