Sweet moments ~甘いひと時~
普段優しいオーナーも、これには流石に笑顔で無言の圧力を掛けながら澤村様を裏へと呼び出した。
澤村様は真っ青になりながら、抵抗することなくオーナーに着いて裏へと消えていった。
触れられた手の感触が消えない。
自分で両肩を抱いて、震えを止めようと必死になっていると頭上から肩に何か掛けられた。
顔を上げると、スーツの上着を着ていない前園様と自分の肩に掛かるスーツ。
「え、、?あ、あのっ、、前園様、、?」
「、、、間宮さんがもう直ぐ帰るそうです。最後に一目、蘭さんをみたいそうです。」
そう言って手を引かれた。
握られた手が優しくて、肩に掛かる彼のスーツが温かくて涙がとまらなかった。