Sweet moments ~甘いひと時~


「大丈夫じゃよ。、、、きっと喜ぶ。いっておいで。」

優しい間宮社長の声に背中を押され、頭を深く下げて店の中へ入って帰る準備をした。





急いでタクシーを捕まえて行き先を告げる。

「すみません。ロイヤルダイヤモンドホテルまでお願いします。」

スーツを抱きしめながら、ホテルを目指す。



彼の香りがフワッと鼻をかすめて、胸がきゅっとなった。

彼にスーツを返したいなんて、ただの口実。



本当は、ちゃんとお礼が言いたかった。

そして今日sweet momentで彼を見かけなった分、1日の終わりにもう一目見たかったから。


そんな、よこしまな理由だ。


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