Sweet moments ~甘いひと時~


すると勢いよくドアが開き、かなり驚いた様子の彼が出てきた。

「何故、、ここにいると?」

「すみませんっ、、、!間宮社長から今日はきっとこちらにいると伺ったものですから、ご迷惑かと思ったのですが、、その、、上着を借りたままでしたのでお返しに参りました。」


「わざわざその為だけに、、、ここへ?」

少し低い声で呟く彼の声が聞こえて、思い切り頭を下げた。



「お礼をっ、、、!今日、助けて頂いたお礼をどうしても言いたくて。本当に、ありがとうございました。前園様から忠告もうけておりましたのに、自分ではどうする事も出来なくて、、、本当に情けない限りです。あの様なドレスはもっとスタイルのいい女性が身につけるものでした、、、。次は、もっと自分を磨いて魅力的な女性になってから着たいと思います。」


するとびっくりするくらい大きな溜息が聞こえ、顔を上げると眉間に皺が寄っている彼と目があった。


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