Sweet moments ~甘いひと時~


2人きりの彼はとにかく甘い。

それはもう怖いくらいだ。


こんなに夢を見すぎたら、何か起こってしまうんじゃないかと不安になるほどに。

ケーキの売り上げも順調で、夜の仕事を少し調整しても大丈夫くらいにはなった。



彼は私の借金を何度も全て返済すると提案してくれたが、それだけは絶対に首を縦に振らなかった。

だってあれは私の借金。
私の家族の問題。


それを彼に払って貰うのは絶対に違うと思う。

彼も中々折れずに苦労したが、もし諦めてくれないのならもう会うことが出来ないと告げると一瞬で表情を変え、諦めてくれた。


彼の温かさが優しさが時々、辛い。

今はきっと一時的な気の迷いだ。

いつでも離れられるように、踏み込まないようにと必死になっている自分がいる。
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