Sweet moments ~甘いひと時~


手を引かれ、中に乗り込む。


「桜さんっ!どうして此処に?!」

「間宮社長、いや会長に頼まれたの。蘭ちゃんの力になってやってほしいって。オーナーと間宮会長の元秘書さんって繋がってたみたいでね、この車はオーナーの車。運転手はその秘書さんの知り合いの人らしいわ。初めは私も急に拉致されてびっくりしたの。話を聞いて、勿論私も力になりたいって思ったわ。」

「でも一体何を、、?」

「きっと凄い緊張感のある総会よね?休憩中だってきっとピリピリしてるわ。そんな中、1人でケーキを配膳するには時間がかかり過ぎるでしょう?私もこれでもおもてなしのプロよ?そして蘭ちゃんも10年間CLUB natureで働いてきた。そんなおもてなしのプロが2人もいれば、重役達や大株主達を不快な思いをさせずにスピーディーに配膳することが出来る。私は、蘭ちゃんを妹みたいに思ってる。だからどんな些細な事でも私が力になれる事があれば、なんだってするんだから!もっと頼ってよっ、、!」


狭い車内の中で桜さんに抱きしめられ、桜さんの優しさと優しい香りに胸が一杯になった。

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