Sweet moments ~甘いひと時~


彼の醸し出す雰囲気に飲まれそうになって、間宮社長に話を振る。


「ま、間宮社長はこの1ヶ月、お忙しかったのですか?全然いらっしゃってくださらなかったので心配しておりました。お忙しいとは思いますがあまり無理はされないで下さい。」

「ちょっと大きい引き継ぎを進めておってな?そこの男と忙しくしておったんじゃよ。年寄りにも容赦がなくてなぁ〜〜。お陰で蘭ちゃんに会いに来るのがこんなにも遅くなってしまったわい。そろそろ引退したいんじゃがなぁ。」

困ったように笑う間宮社長にすかさず、彼が言葉をかけた。

「なにをおっしゃっているんですか、人聞きが悪いです。仕事に関して妥協を許さない間宮さんには言われたくありません。お陰でこちらは寝る間もなく働いておりました。」

「ははっ!そう言うな。君に期待しているからだろう?まだまだ34歳と若いんだ。1ヶ月くらい眠らんでも死にはせんよ!」


すると呆れた声で呟く。

「、、それはさすがに命に関わります。」
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