バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
さて、現在アメリカで修行中の理人は、花音と昴の間に子供が生まれたことを家族からの連絡で知った。

『そうか、もう悠輝も伯父さんなんだな』

何だか自分も花音の生んだ子の親戚のような感覚があって、実は少し感激している。

まあそれだけ花音との婚約は、ナンセンスなことだったと言うことになるのだが…。

結婚など今は考えられないなと思ってはいても、ふと、優花を思い出すことがある。

あのまま何事もなく付き合っていたなら、そしてもし優花を不安にさせるようなことがなかったら、何年かしたら結婚していたかも知れないなと、今さら言ってもどうしようもないことなど分かっている。

でも、付き合っていた頃の彼女の表情が忘れられずに、困ったもんだと時々苦笑いする。

やれやれ、俺は未練がましい男だったのかと、ため息を吐いた。

今日は、実家の料亭からの依頼を受けた、歴とした仕事の日なのだから、気合い入れなくちゃなと、決意も新たにその場所へと向かう。

< 123 / 150 >

この作品をシェア

pagetop