バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
『えっと…ハハハ、美桜さんアイツが好きなの?』

理人が思わず口走った言葉に、驚く美桜であるが、彼とはただのバイト仲間だと言う彼女に、ホッとしている自分がおかしくて、ハアッと大きなため息を吐く。

『俺、美桜さんよりも年上だけど、今までどうしようもない人間だったんだ。けど、君のことは、誰にも渡したくないと思った』

可愛くて素直で、大人しいけれどその実、自分をちゃんと持っている、そんな美桜が大切だと感じる。

それは優花にも感じてはいたことだが、しかし、どうしても失いたくないとは思えなかったのだ。

あの時そう思ったなら、家族を説得してでも何でも出来たはずだ。

きっと、両親もそう思っていたに違いない。

反対されてでも一緒になりたい相手ならば、何とかしてみろと!

けれども、その時、理人は優花を諦めたのだから。

だから、今回は絶対に諦めないし、手放すものかと必死なのだ。

こんな理人を、今までに見た者がいただろうか?

アメリカと言う土地がそうさせるのか、それとも、イケメン御曹司の仮面を被ることに疲れたのか…。

これまでになく素直になれた理人のことが、美桜の目にはとても魅力的に映ったのだった。
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