バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
昨夜は答えが出ぬまま、何事もなかったかのように理人と別れて、車でアパートに帰って行った美桜だったが、やはり気になって気になって睡魔も訪れず、結局朝になって、1時間半程眠っただけで大学に来ることとなった。

欠伸をかみ殺す美桜を見た、アメリカ人の友達ケイトリンに、

『やだあ、美桜!もしかして彼氏出来た?』

と、勿論米語で尋ねられる。

何を言ってるのこの子はと、少し顔を赤らめて、美桜が反論した。

このケイトリンは日本贔屓のいわゆるアニオタだが、日本語は片言なので、米語がふたりの共通言語なのだ。

エー違うの?やっと美桜にも雪解けの季節がやって来たのかと思ったと、残念そうに口を尖らせてチェーッと言う。

彼女はアメリカ人女子学生の中でも日本大好きを全面に出していると言う少し特殊な雰囲気を纏っていて、美桜が日本人だと分かると、喜びのあまり片言の日本語で話し掛けて来たアメリカンな女の子である。

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ちなみに、美桜の運転する車は米国製の日本車の小型車で、ブルーメタリックがとても気に入っている。

美桜の住むこの街はシカゴの郊外にあり、やはり車がないと話にならないのだ。

その代わりこの国では高速道路が張り巡らせてあって、一般道も割と日本のように綺麗なものだ。

殆どのアメリカンな人々は、大学にあがると同時にひとり暮らしを始めるので、良い歳になっても結婚もせずに実家暮らしで、上げ膳据え膳の暮らしをする日本人の男女のような人間はいないのではないかと思われる。

(しかし、何年か前のリーマ○ショック後には、親の家に居候する若い世代が増えたと聞いたが、今はどうなのか…)

その点、コーディネーターが色々手伝ってくれたとは言え、単身アメリカに留学生としてやって来て、金銭面以外の物事を全て自分で熟す美桜や理人などは、大学を卒業する頃には、人間的にも相当鍛錬されているのではないかと思われる。
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