バイバイ☆ダーリン 恋心編 番外編完結しました
それから半年程が経って、漸くアメリカンな生活が板についてきた美桜に、理人がショックで寝込んでしまいそうな話題が持ち上がった。
料亭の常連客で世界を股に掛けるイケメンビジネスマンのイギリス人から、彼女が熱烈アプローチを受けていると言うのだ。
そんな噂の的のふたりが、時々仲良さそうにこそこそ耳元で囁き合っているような風に見える光景を目の当たりにする理人。
もう心配で心配で、彼女がそのイギリス人男性に攫われてしまうのではないかと、居ても立ってもいられず、仕事中なのはお構いなしで、美桜の腕を掴んで店の奥へと連れて行った。
困惑している美桜を他所に、聞いてくれ、お願いだと懇願する。
『もう一度言う。君が好きだ、どうか俺のものになって欲しい』
そう言って、理人は美桜を抱きしめた。
すると、フフフと彼女が笑い出した。
『良いですよ。私、理人さんのこと好きですもの』
そしてまた、フフフと楽しそうに笑った。
理人はポカンと口を開けて、何が起こったのか理解出来ていない様子で、エエ~と叫ぶと、美桜がお静かにと彼の口元へ指を立てて、シーと言う。
早くも尻に敷かれているのか、理人はごめんとあわあわしているのだが、漸く彼女からの返事がOKなのだと理解してもっと強く抱きしめて、美桜にたしなめられた。
そして、この2人がこの時から何十年にも渡って、このアメリカで人生楽ありゃ苦もあるさを地で行く時間を、手に手を取って過ごすことになるとは、まだ思ってもいないだろう。
料亭の常連客で世界を股に掛けるイケメンビジネスマンのイギリス人から、彼女が熱烈アプローチを受けていると言うのだ。
そんな噂の的のふたりが、時々仲良さそうにこそこそ耳元で囁き合っているような風に見える光景を目の当たりにする理人。
もう心配で心配で、彼女がそのイギリス人男性に攫われてしまうのではないかと、居ても立ってもいられず、仕事中なのはお構いなしで、美桜の腕を掴んで店の奥へと連れて行った。
困惑している美桜を他所に、聞いてくれ、お願いだと懇願する。
『もう一度言う。君が好きだ、どうか俺のものになって欲しい』
そう言って、理人は美桜を抱きしめた。
すると、フフフと彼女が笑い出した。
『良いですよ。私、理人さんのこと好きですもの』
そしてまた、フフフと楽しそうに笑った。
理人はポカンと口を開けて、何が起こったのか理解出来ていない様子で、エエ~と叫ぶと、美桜がお静かにと彼の口元へ指を立てて、シーと言う。
早くも尻に敷かれているのか、理人はごめんとあわあわしているのだが、漸く彼女からの返事がOKなのだと理解してもっと強く抱きしめて、美桜にたしなめられた。
そして、この2人がこの時から何十年にも渡って、このアメリカで人生楽ありゃ苦もあるさを地で行く時間を、手に手を取って過ごすことになるとは、まだ思ってもいないだろう。