バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
(透子独白)


私には希望する大学があった。

それがあるのは、大いなる田舎と称される中部地方の大都市。

祖父母と伯父一家が住むその街で、心機一転やり直したかった。

結果的に万引き未遂になったのは、優花のお蔭と言えなくもない。

でも、その直ぐあとから、優花からの強請り集り(ゆすりたかり)の方も犯罪じゃないか…。

やられたらやり返すが私のモットーだったはず。

だから、優花をギャフンと言わせてやるから、待ってなさいよ。
独白END
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そしてその後、有言実行とばかりに透子は教師に自分の万引きのことだけは秘密にして、強請り集りに今現在あっていることを告げた。

《もうこれで終わり。こんな状態ともおさらばだ》

などと暢気にも高みの見物をしていたのだった。

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そしてある日の放課後、優花が生徒指導の教師に呼ばれたことを知った。

《やったやった、これで本当に終わりなんだ》

透子は自分のやろうとした万引きのことなど、既に忘れているのだろう。

清々しい顔をしている。

ところがその後直ぐに、その顔が絶望に染まるなどとは、この時の透子はまだ知らない。

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