バイバイ☆ダーリン 恋心編 番外編完結しました

悠輝は花音が泣いていることに気が付いているはずなのに、わざと何も言わずにベッドに浅く腰掛けて、花音の頭を撫でながら優しく話し掛ける。

『足はどうだ？痛むのか？』

薬が効いているから大丈夫だと告げると、悠輝はそうかと答える。

『今父さんと母さんに話してきたんだが、お前と理人の婚約を解消することになった。これは、父さんも母さんも、勿論、俺も異論はない』

そう静かに花音へ伝えると直ぐに、彼女がまた泣き出した｡

幼い頃からの理人への想いと、複雑になってしまった許婚の関係は、もう後戻り出来ないところまで来てしまったのだと実感させられる。

止めどなく涙が溢れ出る。

その想いを涙で洗い流してしまえと思いながら、悠輝は花音の背中をポンポンと軽く叩いて落ち着くまで側で待っていた｡

数分間泣き続けていた花音は

『ごめんなさい。もう大丈夫』

と起き上がって、悠輝に今日の事の顛末を話すように言う。