バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
ダムダム、ダムダムとドリブルの音が響くバスケ部の体育館で、今日は近隣の大学との練習試合が行われている。

スタメンは主将とそして彼と同学年の2人、それから3年の嵯峨野悠輝と2年の1人。

体格が良く上背のある我がチームが終始リードを保ち、終盤まで危なげない試合運びで、相手チームを翻弄することとなった。

さすがは出来る兄だと、まんざらでもない表情で見ていた花音は、そう言えば、つい先日まで兄と一緒にスタメンであった理人のことを、何となくだけれど、いつも寂しい思いで見つめていたことを思い出して、少しばかりブルーになっていた。

そこへ試合を終えたばかりの悠輝がやって来て、花音の頭をコツンと指で突いて、何ボーッとしているんだと笑って言う。

『ううん、何でもない』

タオルと冷たいドリンクを渡す。

このあと直ぐにユニフォームなどの洗濯だ。

余計なことを考えずに身体を動かそうと、籠を持って、部室横の洗濯室に向かって歩き出した時、ヒョイッと洗濯籠が持ち上げられ、国府宮昴が顔を見せる。

『お疲れ』

にこやかに言う昴は、相変わらず優しくて、花音の世話係を買って出てくれている。

『国府宮君、ありがとう』

花音はにっこり微笑んで、すっかり良くなった足を気にすることもなく洗濯室に入って行く。

さあ、スッキリさっぱり汚れ物を片付けて、太陽がいっぱいの空の下へ干しに行こう。

花音はお気に入りの洗剤を洗濯機に入れて、来週自宅で行われる母の誕生日に贈るプレゼントを買いに出なければと考えていた。

理人とのことで迷惑を掛けた母に、何かとびきりのものを贈ろうと思案していると、昴がそう言えばと、同じゼミの男子学生のことを、面白おかしく話しだす。

そんな昴と花音の楽しそうな笑い声が、通路にも響いていた。



 「バイバイ☆ダーリン 恋心編」完
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