バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
ある熱い夏の日のことだった。

つい先日夏休みに入ったばかりなのだが、勿論毎日木曜日以外部活があって、2,3日に一度、午前と午後が入れ替わる。

よって、花音と昴のバイト時間も2,3日に一度、シフトが替わるのだ。

何せ、バイトの中で人気二大ツートップに位置付けされており、夏休み中とあればなおさらお客が増える計算になるので、部活中心であるとは言え、シフトに入ってもらうのは、このカフェにとっても大変重要なことになる。

だから、部活の夏休みの予定表を予めオーナーに提出して、シフトを二人優先で組んでもらったのだ。

このバイトを続けてオマケに部活を続ける限り、必然的に花音とずうっと一緒にいられると、ニンマリ笑う昴に、何か良いことあったのと花音が尋ねてきた。

『バイトも部活も一緒だね。俺は嬉しいけどさ…』

昴の言葉に、花音はどう反応したらいいのか分からず、思わずこう答える。

『わ、私も。だって、好きな人といつも一緒なんて、嬉しいに決まってるもの』

一気に言い放てば、昴の顔が真っ赤になっていた。

あれ?と、よくよく考えてみれば、凄~く恥ずかしい告白をしていたのだと花音も茹で蛸よろしく、真っ赤っかになっている。

そこへやって来たオーナーは、もしやと思って聞いてみた。

『君達、やっと想いが通じたの?』

二人はえっ?と顔を見合わせる。

バレバレだったよね、とオーナーが側にいたパンケーキ担当の副店長に聞いた。

『はあ。本当に焦れったかったですわ』

この後、微妙な空気が流れたけれど、お互いの想いが通じて、晴れて両想いとなった二人を、カフェの従業員皆で祝福したのだった。

そして、ちょっとだけ冷静になった二人が考えていることは一緒で、

『お兄ちゃんに何て言えば良いのかな?』
『先輩に何と報告すればよいのやら…』

バイトの後に、嵯峨野家に仲良く向かった二人は、勿論、この後、悠輝からいつもと雰囲気が違うと追求されて、疲れ果てた昴の翌日の部活は散々であった。


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