バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
さあ、今日は初々しい二人にとっての、記念すべき初めてのお遣いならぬ初めてのデートだ。

花音はこれまでは、許婚だった理人とちびっとばかしお茶する程度の、デートとは言えないお出掛けを、申し訳程度に何回かしたことがあるだけだが、昴はどうなのだろうと、少しばかり気になっている。

彼はなかなかのイケメンだから、何人かカノジョもいたことだろうと思っていたその時、昴が実はねと話し始めた。

『実はね、俺、君が初カノなんだ』

エエエエエっと驚き過ぎの花音に、何か変かな?と聞いて来る。

イイエ、とっても嬉しいの!なんて言ってみれば、昴も嬉しそうに笑う。

でも昴はあれ?と引っ掛かったことがある。

理人と婚約中はどうだったのか、色々あったのでは?などと、ちょっと気になっていたのだが、何度かお茶しただけで何もなかったと聞くや否や、花音の手を取って歩き出した。

『俺は君を幸せにするよう努力する。あの人のように寂しい思いなんかさせないよ』

花音はうるうると目に涙を溜めて、私もそう思っていたの、ありがとうと言って、昴に抱き着いてきた。

昴も思いっきり抱きしめ返して、真剣な顔で言った。

『好きだよ、花音』

すると直ぐに私も好きよ昴君、と幸せいっぱいカップルの一丁あがり。

その日二人は無難な買い物デートに出掛けて行ったとさ。
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