バイバイ☆ダーリン 恋心編  番外編完結しました
大学を辞めてからの3年は瞬く間に過ぎていき、優花は実家に籠もるような生活を続けていた。

人との接触も家族かカウンセラーなどの関係者に限られており、それまでの生活が嘘のようだと、時々理人のことを思い出して涙ぐむことがある。

しかし、そんなことも少なくなってきて、ちょうどその頃、母もパートに出るようになって、今では買い物以外の家事を熟せるようになっていた。

夕飯の献立を考えたり、洗濯物を畳んだりと、時々思うのは、もし理人と生活したら夕飯は何を作ろうかとか、ベッドカバーは何色にしようとか、きっとそんな小さなことを考えるのが幸せだったのかなとまた涙する。

勿論、花音にしたことも透子にしたことも、今ではとても反省している。

どうしてあんなことをしてしまったんだろうと考えると、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

風の噂によれば、花音は大学同期の国府宮と付き合っているらしいが、二人には幸せになって欲しいと優花は本気で思っている。

透子にも悪いことをしたと、謝りたいと思っているのだが、一度メッセージをスマホに送ってみたものの、届くことはなかった。

それから、彼女は一家で引っ越しをしたようなので、連絡のしようがなくなってしまったのだ。

これから何をして生きていけばよいのかも分からないまま、3年と言う時間だけが過ぎていくことへの焦りで、最近ではモヤモヤした感情で、優花はどうにかなってしまいそうな恐怖感に襲われている。

そんな時に滅多に鳴ることがないスマホが鳴った。

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