お見合いだけど、恋することからはじめよう

「……久城、今の言葉はおれにではなく、おまえを置いてイギリスに行っちまった恭介(きょうすけ)に言え」

血も凍りそうな氷点下の声だった。
しかも、いきなり視線だけで人の息の根を止めるかのような凄まじさだ。

声を荒げることなく冷ややかだからこその、ものすごい凄みだ。

……まるで、あの青山じゃん。

こんな諒くんを見るのは初めてだった。

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