お見合いだけど、恋することからはじめよう

「……あたしだけ、ですか?」

あたしは諒くんをまっすぐ見て訊いた。

「あたしだけなら……ずるい。
諒くんも女の人のいる呑み会に行かない、って約束してくれるのなら……そうするけど」

「おれが行くわけないだろう?
こんなに寝る間もなく働いてるのに?」

諒くんの眉間にシワが寄る。

……よく言うよ。
『遊ぶ相手には不自由しない』って言ったくせに。今は確かに忙しくてそんなヒマはないかもしれないけれど、仕事が落ち着いたらわからないじゃん?

「久城さんみたいに、諒くんの名前の方を呼び捨てにする、綺麗な女の人がほかにもいるんじゃないの?」

……うわっ、こんな言い方したら。

諒くんがあの虚を衝かれた顔になる。

だけど……

「……ななみん、まさか、妬いてる?」

すぐに、いたずらっ子の目になる。


……ほらっ!やっぱりっ!!

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