お見合いだけど、恋することからはじめよう
「違うもんっ。もう、いいっ!
今日はどうもありがとうございましたっ!」
あたしはぷいっ、と背を向けて、レクサスのドアを開けようとした。
すると……
「……悪かった」
諒くんから背後からふわりと抱きしめられ、ドアにかけられたあたしの手は制される。
……ええええぇーっ!?
あたしは突然のことに固まってしまった。
だけど、くるりとまた諒くんの方へ向かされる。
今度は正面からきゅっ、と抱きしめられた。