お見合いだけど、恋することからはじめよう

「……次はいつ会えるかわからないんだから、こんなふうに今日を終えるのはやめよう」

……そうだった。
今日だって、忙しい最中のせっかくのお休みに、あたしのために時間を割いてくれたのに。

そう思うと、自然に身体(からだ)の力が抜けて、素直に諒くんの腕の中に身を預けられた。

「もっとたくさん会って、互いのことをよく知るようになったら、きっとななみんがだれと会っても気にならなくなる……だけど、今はおれ以外の男と呑み会へは行ってほしくないんだ」

諒くんが、すっごく耳に心地よく響く声で(ささや)く。思わず、胸がどきどきする声だ。

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