お見合いだけど、恋することからはじめよう
そしてこのあと、彼がリムレスの眼鏡を外して、
……次は、がっつりなキスをする気だな?
という「気配」か伝わってきたとたん、
「ダメ、ダメ、ダメーーーっ!」
あたしは口を手で覆った。
諒くんが呆気にとられた顔になる。
「……おれとキスするのはイヤなのか?
それとも、まさか……結婚するまでは『清いカラダ』でいたい、とか?」
……いやいやいや。そんなワケないでしょう?
そもそも『清いカラダ』ってなんですか?
それに、とっくに処女じゃないし。
「違うのっ!」
あたしは全身全霊で力いっぱい叫んだ。
「昼間に豚骨ラーメンと餃子を食べたでしょっ!
諒くんとの初めてのキスがニンニクの味なんて、ぜぇーーーったいに、イヤだもんっ!!」