お見合いだけど、恋することからはじめよう
あたしはすっかり涙目になって、諒くんを見上げた。
……最悪だ。失敗過ぎる。
もう二度と、Jubileeへなんて行けない。
今度ボーナスが出たときに買おうと思った、アメシストとダイヤで流れ星をイメージしたかわいいピンキーリングがあったのに。誕生石のピンキーリングは超ラッキーアイテムなのにぃ。
この世の終わりのような表情のあたしを見て、諒くんの目がほんの一瞬、見開かれた。
くくくっ…という笑い声が、ぴたり、と止んだ。
「わかった……今日はもうしない」
とたんに困ったような顔になり、あたしの頭をぽんぽん、っとする。
「でも、その代わり……」
……なんだろう?