お見合いだけど、恋することからはじめよう

「あれっ、青山じゃん。この前は奢ってくれてありがとう。潰れてほとんど寝てたけど、ともちんも喜んでたよ……で、なんでこんなとこにいるの?」

ここは一般社員のIDカードでは入れない、重役室が連なるフロアだ。

「おまえ、それでも秘書室の勤務か?
おれがこのフロアにいる時点で察しろよ」

……あっ、社外秘どころか「社内秘」案件だ。

「ごめん、ごめん。言えるわけないよねー」

あたしは肩を(すく)めて詫びた。

「いや、これだけは言える……だが、まだ他言はするなよ?」

青山は、あたしをじっと見据えて告げた。


……えっ、いったい、なに?

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