お見合いだけど、恋することからはじめよう
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いつものようにお昼休憩がやってきた。

奥の簡易ソファセットで、三人各自がお手製のお弁当を広げて、あれこれ他愛ないことをおしゃべりしながら食べるのが、すっかり定番となったのだが。

それにしても、いつもと違って空気が重い。
いや、彩乃さんだけじゃなく、あたしまでも……

今日のあたしたちは特に話をするでもなく、黙々とそれぞれのお弁当を食べ終えた。

「……ねぇ、先刻(さっき)さぁ、七海ったら、廊下の奥で男の人と仲良さそうにしゃべってたじゃない?」

突然、誓子さんが興味津々とばかりに話しかけてきた。

たぶん、この重たーい雰囲気をどうにかしてくれようとしてるんだろうけど、目敏(めざと)いな。
……いつの間に見ていたんだ?

「あれって、情シスの青山くんでしょ?」

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