お見合いだけど、恋することからはじめよう
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営業企画部である赤木さんと、秘書室のあたしとは、仕事上での関わりはなかった。
だけど、エントランスを歩く姿や、社食で同僚と日替わりランチなどを食べる姿は目にしていた。
っていうか、一八〇センチ近くの身長に目鼻立ちのはっきりしたイケメンである彼の周りでは、いつも女子社員たちが色めき立っていて、そこだけスポットライトが当たったかのように目立つのだ。まさしく彼は「社内のアイドル」だった。
とはいえ、あたしは彼と話したこともなく、まーったくどんな人だか知らなかったから、興味を持つこともなかった。
同期の友佳が『赤木さん、かっこいい〜!』と身をくねらせているのを見るたび「いくら外見がよくったって、中身がどんな人だかわかんないのに」と思っていた。
……あの「呑み会」の日までは。