お見合いだけど、恋することからはじめよう

そして、合コン……じゃなくて「呑み会」に行ってみると、個室の中では厳選されたメンバーたちがすでに着席していた。どうやら、五対五らしい。

あたしは『遅れてすいません』と言いながら、空いている一番手前の椅子に座った。

『……よかった。水野さん、今日は来てくれないかと思ったよ』

そう言って、近寄りがたいほど整った目鼻立ちのはっきりした顔が、人懐っこそうな笑みとともに、くしゃりと崩れていく。

テーブルの向こうには、赤木さんが座っていた。

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