お見合いだけど、恋することからはじめよう
……どういうこと?
あたしは訝しげな顔になった。
「おまえの言うとおり、ちゃんと言い訳して謝るよ……だけど」
赤木さんは心底弱りきった顔で、
「ここを出よう。さすがに……気まずい」
と言って、首を竦めた。
ここは、洒落たオトナの隠れ家的なショットバーなのだ。それなのに、大声をだして今まで溜まりに溜まった「怨念」をぶちまけてしまった。
確かに……気まずい。
特に、この前のイタリアンバールでも「失態」を見られたあのバーテンダーの方には、とても顔を向けられなかった。