お見合いだけど、恋することからはじめよう
思えば、獅子座の赤木さんがあたしをとことんまで「焦らせる」原動力は……「征服欲」だったと思う。
そもそも、あたしにとって、身も心もひれ伏した「恋」だった。
ベッドの上でも、徹底的に赤木さんに組み敷かれ服従することで、あたしは彼への「忠誠心」を示そうとした。
彼からのとんでもない「要求」に応えるのと引き換えに、彼からはとてつもない「快楽」を与えられた。
でも、それは、逆に言うと……あたしはセックスに関して、赤木さんを思いっきり「甘やかして」しまったかもしれない。
もしそうであったのなら、巧妙な「策士」のわりに「恋愛偏差値」は決して高くないと思われる「箱入り娘」の桃子さんが……どれだけ赤木さんの「要望」に応えられているのだろうか?
どうも、桃子さんって典型的な「マグロ」じゃないかと思うのだけれども……違うかなぁ?
赤木さんが、どんなに外堀を埋められようと、決して桃子さんと結婚しようとしないのは、もしかして……「そういうこと」も原因の一つのような気がしてならない。