お見合いだけど、恋することからはじめよう

諒くんは、今や、息も絶え絶えになって、ヒィヒィ笑っている。

あたしはくるりと反転して壁の方を向いた。
諒くんからは背を向けた形になる。


「……ななみん?」

不穏な空気を察したのか、諒くんがあたしの顔を覗き込んできた。

あたしは、ぷいっ、と目を逸らす。

「ななみん、笑って悪かった。怒らないでくれ」

諒くんが背後からすっぽりと、あたしを包むように抱きしめる。

「あまりにも……かわいかったからさ」

「行為」が終わって、まだなにも身につけていないままのカラダを、ぴったりと重ね合わせてくる。


「それに……うれしかったんだ。
七海の……『処女』をもらえて……」

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