お見合いだけど、恋することからはじめよう
無事、月経が訪れたことを諒くんに告げると、ホッとしながらも、でもちょっと口惜しそうな、なんとも言えない顔になった。
『水野局長に顔向けできないことはしたくない、って気持ちと、ななみんとの子どもがほしかった、って気持ちとがせめぎ合ってる』
あぁ、この人は、あたしと本気で家庭をつくろうとしてくれてるんだ、としみじみ感じた。
『でも、結婚するって言っても、諒くんとはつき合ったばっかだからさ。
やっぱり……ちゃんと「段階」を踏もうよ?』
あたしがにっこり笑いながらそう言うと、諒くんは『それもそうだな』と頭をぽんぽんしてくれた。
『おれも……七海をもっと愉しみたいしな』
今晩、また眠れなくなるかもしれないな、という妖しい笑顔を浮かべながら。
そして、それからはちゃんとゴムを着けてセックスするようになった。
ちなみに、もう逢えないでいるのは絶っ対にイヤなので、あたしが諒くんのワンルームにすっかり入り浸りの状態だ。
だから、最近のおとうさんの機嫌がすこぶる悪い……まぁ、無視してるけど。