お見合いだけど、恋することからはじめよう

「ねぇ、ねぇ……どしたのよー?」

あたしは突如降って湧いた、緊迫した雰囲気を和らげるために、とっさに思いついたおふざけで、

「……『さとくん』ってばさぁー」

と、青山に呼びかけた。
彼の名前が「さとふみ」だったからだ。

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